- No.30(2006.3.1)
- ◇ 第2回 全国NPOバンクフォーラム開催される
- ・借り手からの報告
- ・金融を手作りする −パネルディスカッション−
- ◇ 金融教育分科会レポート こんな金融教育が必要
- ・金融教育元年って?
- ・勝ち組のための金融教育でなく
- ・教育と自己責任は車の両輪
- ◇ 融資審査・融資実行のご報告
NPO法人ワーカーズ・コレクティブ あのん(茅ヶ崎市)
- ◇ 「投資サービス法問題」は今
- ◇ 報告書作成中!
- ◇ JICA国際協力セミナー職員研修の受入れ
- ◇ 組織・資金・融資状況(06年2月末)
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◇第2回 全国NPOバンクフォーラム開催される
お金に意思を持たせよう
非営利を基本とし、市民事業に融資するNPOバンクは、現在、全国で2ケタになろうとしています。市民のニーズはどこにあるのか、お金はどこに使うべきなのか、共に考えようと、一昨年夏の札幌での第1回に続き、第2回全国NPOバンクフォーラムを12月10日(全体会)、11日(分科会)、東京・麻布の電気連合会館で開催しました。
WCC設立準備会も実行委員会に参加、出席者は延べ約400人と盛況でした。
はじめに、NPOバンク草分けの未来バンク理事長の田中優さんが、「環境破壊、公共事業の資金源に郵貯・年金・簡易保険が関わり、戦争の資金源をたどると銀行預金に行き着く。これまでの金融は東京に集められていたが、地域分散型、地域循環型にならなければならない。
だからお金に『意思』を持たせ、こういう社会にしていきたいという想いがあるお金にすべき、その一つの形がNPOバンクだ」と挨拶。
借り手からの報告
借り手からの報告として、NPO法人ワーカーズ・コレクティブさくらんぼ理事長は、使い勝手のいい保育園を自分たちで創りたいと銀行に融資を申し込んだ結果は、「福祉分野には貸さない」「ご主人名義なら」と拒否の回答。そこで私募債を発行して資金を調達、保育園を立ち上げました。
その後、「地域でお金が回るシステムのWCC設立準備会」に共感、出資。2園目のためにWCBの借入人第1号になったことが報告されました。
また、NPO法人化学物質過敏症支援センター事務局長から、中伊豆の転地療養施設の土地購入資金をWCBから借りた例、NPO法人ふうどの代表から、生ゴミ資源化事業の発酵槽設置費用をAPバンクから借りた例が報告されました。
金融を手作りする −パネルディスカッション−
エコ貯金キャンペーンで3億円の預貯金が預け替えされたことが報告された後、日本経済新聞社編集委員の藤井良弘さんのコーディネート、未来バンク、WCC設立準備会、東京CPB、北海道NPOバンク、NPO夢バンクの5人のパネラーによる、パネルディスカッション「金融を手作りする」が行われ、翌日分科会が行われました。
分科会1 こんな金融教育が必要
分科会2 NPOバンクのつくり方講座
Shall we “bank” ?
分科会3 How to manage
市民が作り・支える”NPOバンク”
分科会4 今、地域に必要な「お金」の仕組み
分科会5 NPOバンク融資申込みワークショップ
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◇5分科会の内、金融教育分科会をレポートします。 こんな金融教育が必要(分科会1)
- ■コーディネーター;向田映子WCC設立準備会代表
- ■報告者;坪井眞理子東京CPB理事長
- ■報告者;由里宗之中京大学総合政策学部教授
向田WCC設立準備会代表からは次の問題提起がされました。
これまで私たちは、家庭でも学校でも、預貯金はどう使われているのか、お金をどう管理し生かすのか、といった教育を受けてこなかった。しかし、一方、この数年NPOバンクメンバーが大学で市民講師講義を行ったり、信用生協が消費者がお金の被害にあわないために「出張寸劇-確かな目力」を職員が演じ、地域を巡回している等、少しずつ動きが始まっている。金融教育をどうするのか、NPO側から論じたい。
・金融教育元年って?
坪井東京PCB理事長からは、日本の金融教育の現状が報告されました。 2005年は金融教育元年だった。その背景は、近年規制が緩和され、様々な金融商品が出てきて金融トラブルも発生している。だから学校教育の早い段階で金融教育をということで、幼稚園〜高校のカリキュラムが組まれた。 しかし、実際に実施されているのはモデル校の0.2%にとどまっている。 一方、小学高学年向けの雑誌「お金入門」には「もし大金持ちになったら」と、馬主で六本木ヒルズに住み、美女をはべらせる、また、小学生でも株に投資できるなど、「儲け」に主眼が置かれ、「社会貢献」などには全く触れていない。又、韓国の信用協同組合の、小学校に出向き「お金の融通が地域社会に役立つ」を教える「子ども信協」の試みが紹介されました。
・勝ち組のための金融教育でなく
アメリカのコミュニティ銀行や金融教育を研究している由里中京大教授からは、「社会的な問題をケアする、その延長上に金融教育が行われるべきだ」と、以下のような話がありました。
お金は社会不安と結びついている。勝ち負けがハッキリしがちな社会は、本来的には不安定であり、絶えず弱者への配慮が必要。アメリカはこれを行っている。日本では、株や社債の購入によるお金の流れを作りたいと7〜8年前に金融ビックバンをつくり、「自己責任」を求めた。 しかし、自己責任を問うのであれば、当然教育を問うべきである。アメリカの経済・投資教育の体系・構造図では、「消費者教育」の次に「金銭管理教育」があり、「投資教育」は最後になっている。
一方世の中に出回っている「老後生活に1ヶ月37万9,000円は必要」は、大変なデマであり、個人年金に入って欲しい生保センターが行ったアンケートの希望額の積算にすぎない。結局は不安を煽り、少子化の原因にもなっているのではないか。
・教育と自己責任は車の両輪
アメリカのディーン協同銀行は、地域の篤志家によって作られたコミュニティ銀行で、地域貢献の一つとして、「もしも私が100万ドル長者だったら」の作文を募集し、優秀者には、実際に100万ドルをその子の口座に振り込むことを行っている。 100万ドルは引き出せないが、利息はその子のものになる。祖母をガンで亡くした女生徒が、「もし私がなったら祖母のいた病院に全部寄付します」と書き、優秀作となり、実際に子どもにとっては大金の利息を全額寄付したことが報道された。篤志家がこの銀行を作り、その思いが循環している。
アメリカでは子どもに目標を決めて貯金させる。計画的に貯金させるのは「自己規律を獲得させる」ため、貯金も出費も行った後、余りを社会貢献に使わせる、これが、「金銭管理教育」。
あらためて「教育の無いところに自己責任無し」と結び、出席者の大きな共感を呼びました。
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融資審査・融資実行のご報告
11月の融資審査委員会で1件の融資を決定、融資実行しました。
NPO法人ワーカーズ・コレクティブ あのん(茅ヶ崎市)
デイサービス、ショートステイ、生活支援型住宅の立上げ資金 1,000万円 −戸建住宅の改装資金−
戸建て住宅を、高齢者のためのデイサービス、ショートステイ(短期宿泊介護サービス)機能と、生活支援型共同住宅を併せ持つ施設に改装するための資金の一部の、NPO法人ワーカーズ・コレクティブ(ワーコレ)あのんからの借入れ申し込みについて審査を行いました。
茅ヶ崎市は、特別養護老人ホームに併設などの大規模なデイサービスはあるものの小規模な施設は少なく、ショートステイは不足しているといわれます。
施設予定地は、茅ヶ崎市の北部の住宅や畑、近くに地ビール工場がある地域で、土地の北側には屋敷林に日本庭園、住宅は築70年。11月開催の審査委員会で、提出資料、事務局ヒヤリング・現地調査報告書等を基に審査を行い、メンバーの意欲、周囲の支援等を評価し融資を決定しました。
■融資金額;1,000万円
■期間;60ヶ月(元本6ヵ月据置き)

デイサービス「あのん」生活介護型共同住宅「愛音」 デイサービス室内
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◇「投資サービス法問題」は今
約1年をかけ、NPOバンクや弁護士、公認会計士の方々と共に、「投資サービス法」でのNPOバンク適用除外を求め様々な活動を行ってきましたが、昨年12月に出された「金融審議会金融分科会第1部会報告書」では、「NPOバンクは規制対象から除外することが適当」と記載されました。
私たちの努力が実りそうです。
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下、「金融審議会金融分科会第1部会報告書」より抜粋
NPOバンクとは、NPOその他、主として公益事業に対する出資・融資を目的とした匿名組合などによるファンドである。
米国では、非営利組織(もっぱら宗教、教育、博愛、友愛、慈善、又は感化を目的とし、金銭的利益を目的とせず、かつ、その収益のいかなる部分もいかなる個人などの利益とならないような組織)の発行する証券は、1933年証券法の規制が適用除外されている(証券法3条(a)項4号)。
NPOバンクに対しては、現行証券取引法上、投資事業有限責任組合に類する匿名組合として開示規制(18年6月以降適用)、販売・勧誘の業規制・行為規制が適用されるが、特に開示規制の適用となる場合における監査費用などにより活動が困難になるとの意見があり、投資サービス法においては、米国の例も参考に、契約などにおいて出資額を上回る配当・残余財産の分配などを禁止している場合は、金銭的収益としてのリターンを期待していないことから「投資性」がない又は小さいとして、規制対象から除外することが適当と考えられる。
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◇報告書作成中!
第2回全国NPOバンクフォーラム報告書(全体会 &第1〜第5分科会)を現在作成中です。
4月末に完成予定。頒価1,000円。
ご希望の方は、WCC事務局までご連絡を。
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◇JICA国際協力セミナー職員研修の受入れ
住民自身の能力開発の参考に
ICA国際協力セミナー・スリランカ国職員研修の受入れを行いました。 紛争地域の停戦が行われているスリランカ北東部ですが、行政や外部からの支援だけでなく、地域資源の使用、収入の確保、資金の形成など、住民自身による能力開発が必要とされ、相互扶助のWCC・WCBの活動を学ばせてという要請があったものです。 1月19日、北・東部州開発計画局、マナー県復興委員会事務局から職員4名が参加、午前はWCC事務所で事業の説明を行い、午後、コミュニティ運送業の(企)ワーコレ・キャリー、高齢者のデイサービス・ショートステイ事業等を行っているNPO法人ワーコレ グループともを訪問しました。
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◇組織・資金・融資状況 (‘06年2月末)
WCC設立賛同者(会員)
| | ‘05/03末 | ‘06/02末 |
| 個人会員(人) | 423 | 434 |
| 団体会員 | 59 | 61 |
WCC設立賛同者出資金 (千円)
| | ‘05/03末 | ‘06/02末 |
| 計 | 126,930 | 133,650 |
外部借入金 13,000千円
調達資金量 146,650千円
WCB貸付残高 46件/74,704千円
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